「うん。君の事も知ってるよ”遥香ちゃん”」
雷獣の事も知っている、私の事も知っているそう言われ
男から後ずさりをする遥香。
「あぁ、ごめんね。こんなんじゃ警戒するのも当たり前だよね。」
そう言いフード男はそっとフードを取る。
フードの中から現れ目を奪われたのは白く透き通る肌、綺麗な金髪。金髪というより白髪に近いのかもしれない。まつ毛も白く瞳は綺麗な澄んだグレーをしていた。
「ハーフですか?」
思わずそう聞いてしまった。
「ハーフじゃないよ。アルビノなんだ。」
綺麗な瞳で私をじっと見ながら彼はそう言った。
「アルビノ.......。」
聞いたことはある。生まれつき色素が少ない体質
動物とかはネットで見たことがあるけど、人に出会ったのは初めて....。
マジマジと彼を見つめているとまたフードを深く被りなおした。
「ごめん、気持ち悪いよね。」
「あ、気分を悪くされたならごめんなさい。あまりにも綺麗で.......。」
「さすが拓哉が選んだ子なだけあるや。」
ふふっと笑う彼。
「あの、名前聞いてもいいですか?」
「........蒼汰。」
「”蒼汰さん”?」
拓哉からも夏惟達からも、雷獣にいる誰からもその名前は聞いたことがなかった。
「じゃそろそろ俺行くね。多分もうすぐしたら洸希が来ると思うから大丈夫だよ。あ、できれば俺と会ったこと内緒にしてくれないかな?」
「.........分かりました。」
「ありがとう。じゃ。」
「あ、あの‼」
思わず引き留る。
