「フフフ、冗談だよ、全員分のシャンプーなんて置いてないしね」
これでいい?と受付台の下から出してきたのはシャンプーボトル2本だった。

「たまに団体でくるときあるからさ、ほら草野球した後の小学生チームとか
そん時は人数分の携帯用在庫ないしこれ貸してるんだよね」
はい、と渡してくれた。

「あざす。借ります」
と言うと、んじゃ使った分の請求は洸希にしよ~と言う叶葉さんに
勘弁してくださいと言うとクスクス笑いながら冗談といい、また漫画を読み始めた。

シャンプーを持っていきながら考える、洸希さんと叶葉さんはなんか似ている....。
人をからかうところとかそっくり...。

「剛、遅いぞ!のぼせるわ!」

「わりぃ、叶葉さんが店の貸してくれたわ」

「お、マジか!」

鏡の自分を見て黒髪久しぶりだなと思ったら、右を見ても黒髪、左を見ても黒髪、後ろを見ても黒髪で思わず吹き出す剛。

「んだよ剛。」

「いやー言い出しは俺だけどさ、全員黒髪って気持ちわりーなと思って。」

そう言われお互いに顔を見合わすみんな

「ぎゃはははは、お前似合わなすぎだし!」

「いやいや、お前もかなり似合ってねーぞ?」

風呂場に賑やかな声が響く。

その頃、洸希は叶葉と話していた。