電話を切った後、槇口を睨みつける。
「今日はこれで勘弁し」

「嫌‼」

言い切る前に後ろから遥香の声が聞こえて振り向く。
そこには夏惟が驚いた顔をして右手が行き場を失ったように中途半端にだらんとしていた。

声を出した遥香は苦しそうに心臓のあたりをぎゅっと握りしめいて目からは涙があふれていた。
なんだ?何が起こってる?
理解が追い付かずただその光景をみていると遥香が膝から崩れるようにしゃがんだ。
っっ...。
「はる!!!」

駆け寄りはるの両手を握りしめる。

「はる、大丈夫だ。落ち着いて」
そう声をかけるがはるの目が合わない。
どこか違う場所を見ている。

「や、、めて、ハァハァ...。ハァハァハァハァ....。」

どんどん呼吸が浅くなる遥香。

「やめて!嫌!ハァハァハァ、離して!助けて!!ハァハァハァハァ...。」

まずい。もしかしたら...。
夏惟と目くばせする。

「岳人‼洸希の車がそこまで来てる。はるをつれて倉庫へ迎え。」

「いや、倉庫よりも遥香の家の方がいいだろ‼」

「いいから倉庫に連れていけ‼早く‼」

「ッチ。わかったよ!」

岳人が遥香を横向きに抱きかかえて足早にこの場を去った。