「凛ちゃんは夕日先輩のこと恋愛として好きなの?」

 利久斗が真面目なトーンで聞いてきた。

 いつもととがう利久斗に少しあたしはドキッとした。

 「いや、憧れではあるけどそういう好きではないような・・・。んー考えたことないからよく分からないや」

 大体恋愛の好きもよく分かっていないしなー。

 「凛にそんなこと聞いても分からないに決まってるだろ利久斗。こいつアホなくらい鈍いし」

 こいつさりげなくアホ呼ばわりしている。まぁいい許してあげよう。

 「確かに凛ちゃんアホなくらい鈍いね」

 さすがに利久斗にアホ呼ばわりされるのは腹立つ。

 「アホ言うなアホ利久斗」

 あたしは少し口を尖らせて言った。

 「ほんと凛ちゃんは無意識で可愛いことするんだから・・・」

 「へ?」

 不意に可愛いと言われ、間抜けな声が出てしまった。

 そんなあたしに勇輝は、

 「利久斗、お前こいつのどこが可愛いんだよ」

 という冷たい言葉を突き刺した。

 「もー勇輝君は凛ちゃんに全然素直じゃないんだからーもうちょっと利久斗君を見習った方がいいと思うなー」

 綾乃は頬を膨らませて言う。綾乃可愛いなー。

 そんな綾乃にあたしはデレデレ。

 「椿お前なぁ・・・」

 そんな綾乃に勇輝は何かを言いたげな顔をしたが途中でやめた。

 「そうだそうだ!もっとお姉ちゃんを敬いなさいよ!」

 いつも意地悪なことばっか言って!ほんともっと可愛げあってほしいよ!

 「あー・・・凛ちゃんそっちにいっちゃうんだね・・・。勇輝君、なんかごめんね」

 綾乃は何かを諦めたように言った。

 「え?」

 あたしなにか違った・・・?

 そして、なんだかんだで今日1日が終わり、帰宅した。