「ただいまー!!」

 「おかえりなさい」

 家に帰るとお母さんが出迎えてくれた。

 「どうしたの手なんか繋いじゃって」

 お母さんはあたしと勇輝が手を繋いでいることに不思議がった。

 「ちょっとね!ほら、いくよ勇輝」

 「ちょ、お前・・・」

 そんな勇輝を無視し、あたしは勇輝を引っ張りながら勇輝の部屋に入った。

 「なんで俺の部屋なんだよ」

 「だって勇輝の部屋綺麗だし」

 相変わらず必要な物以外はない部屋だな。

 「とりあえず座って座って」

 ベッドに座り、あたしは自分の隣を叩いいて勇輝に座るよう促した。

 「・・・・」

 勇輝は無言であたしの隣に座った。
 
 「で?で?あんたの好きな子はどんな子なのよ?」

 「はぁ~確かに俺はよろしくって言ったけどなー今すぐっては言ってねぇからな」

 「別にいいじゃんいつだろうが」

 いつ聞こうが大差ないし。

 「早く教えてよ好きな子のこと」

 あたしは勇輝が早く言うようせかす。

 そんなあたしを勇輝はじっと見つめる。

 「なに?」

 「お前さぁ、俺に好きな奴いるって聞いてなんとも思わなかったのか?」

 その質問がどう意図で聞いているかはよくわからなかったけど答えは一つだった。

 「なーんとも思いませーんでーした。あ、でもちょっと安心したってのはあったかな」

 「・・・安心した?」

 「そう、あんたみたいな恋愛なんか興味ありませーんって感じの奴にも好きな子がいたんだなって思うとホッとしたよ」

 あたしのその言葉に勇輝は落胆とした。

 「勇輝どうしたの?」

 「いや、俺はなんて馬鹿なんだって思ってただけだ」

 「?」