高校2年の春。

 「勇輝!遅刻するよ!」

 「分かってるよ!」

 朝から、忙しいあたし達。

 これはもちろん勇輝が寝坊したのが原因だ。

 「勇輝!走るよ!」

 「ああ!」

 あたしと勇輝は、学校まで全力で走った。

 “キーンコーンカーンコーン”

 “ガラッ”

 「「セーーフ!!」」

 「勇輝のせいで危うく遅刻するところだったでしょうが!!」

 「お前なーそれなら先に行けばいいだろ」

 「そうだけどさぁ、勇輝のこと心配なの!!」

 一応弟だしね。

 「あのなー、お前俺をいつまでも子供扱いするなよなぁ」

 勇気は不貞腐れながら言った。

 「だって、あんたはあたしの!!・・・」

 「お前らいいから席に着け」

 あたしが言いかけると担任のあらちゃんこと只野新先生がいた。

 「あらちゃんいつからいたの!?」

 「あらちゃんって意外と影薄いんだな。俺知らなかった」

 「あらちゃんって呼ぶな。いいから席に着け。」

 「「はーい」」

 返事をし、あたしと勇輝は席に着いた。

 「勇輝のせいだ」

 あたし達は席が隣同士のため、席に着いてからもまた言い合いが始まる。

 「いや、俺のせいじゃねぇから」

 まぁ、大抵は勇輝が面倒くさくなって適当に流して終わるんだけどね。

 「相変わらず2人は仲が良すぎて俺妬いちゃうなー」

 あー面倒くさいのが話しかけてきたよ。

 勇輝の後ろの席の利久斗は、いつもおちゃらけていて、はっきり言うとうざい。