「あはは、なるほど」

 夕日先輩は声を出して笑った。

 かっこいいな・・・。近くで見ると本当にかっこいい。爽やかさを漂わせる雰囲気と笑顔。こりゃモテますわなー。

 「お互い大変だね」

 「そうですね」

 そう言って2人で顔を合わせ笑った。

 その後、少し夕日先輩と話をし、2人でそっと学校を出た。



 「見つからなくて良かったですね!」

 「うん、ほんと良かったよ」

 あたしはこの少しの間に夕日先輩と仲良くなれた気がした。

 夕日先輩と多愛のない話をしながら、校門まで歩いた。

 「凛」

 不意に名前を呼ばれ聞こえた方へ顔を向けると、そこには勇輝がいた。

 「勇輝?」

 もう帰っていると思ってたのに、待っててくれたんだ。勇輝はこういった優しさをたまに見せるんだよね。

 「凛ちゃんの友達?」

 なんて言えばいいんだろう?勇輝は弟であり、友達でもありって感じだからな・・・。

 「弟です」

 あたしが答える前に勇気が答える。

 「弟?でも、そのネクタイの色、2年生だよね?」

 「はい、血の繋がらない弟です。あと、ここからは俺がいるんで先輩は安心して帰ってください」

 「ふーん、そうなんだ。血の繋がらない弟ねー・・・」

 先輩?

 「こんなにかっこいい弟がいるんだね。凛ちゃんは」

 え?かっこいい弟?勇輝が?

 そう思いながらチラリと勇輝の方を見る。

 まぁ、確かにかっこいほうであるし、前から普通にモテてたしな。

 「そうですね。確かにどちらかというとかっこいいかもしれませんね」