…中学一年、春。
バレー部のアタシ。
バスケ部の君。
君とアタシは同じクラスになって、三ヶ月くらい話すことはなかった。

…中学一年、秋。
席替えの日、席が近くになり話すことが多くなった。
多分、そのときくらいから好きになったのだろう。
いつも意地悪で、なのに優しい時もあって、照れるときは頬を赤くして下を見る。
そんな君が好きになったんだ。

…ある日のこと。
アタシと君が両想いという噂が流れた。
君にもこの噂は耳に届いていて、今がチャンスなんて思ったけど、弱いアタシは"告白"なんて、出来っこなかった。


中学二年、春。
君と同じクラスになることはできなかった。
なんであの時に告白しなかったのだろう?アタシは考えた。
…振られて気まずい雰囲気になって、惨めな思いをしたくなかったから。
なら、諦めるしかないじゃないか。

中学二年、冬。
隣のコートでバスケ部の試合を見ていると、突然話しかけてくれた。
「見すぎ。」
って。一言。
その時も、君の癖、"照れるときは頬を赤くして下を見る"が見られた。
可愛いと思いつつもかっこいいな、なんて。
あぁ、諦めることなんてできやしない。