でもそこには、私の写真はなかった。
すごく、楽しそうなハルの笑顔。
大勢の真ん中で、笑顔で飲み会してる写真。
ツーリングに出かけて、友達と、かっこつけてる写真。
誰…?この子。
ハルが、知らない女の子の肩を抱いてる。
その写真を見て私は、頭が真っ白になり、とっさにアルバムを閉じた。
でも、でも見てみたい。
もう一度、アルバムを開けてみようと思った。
でもその時、ハルが部屋に戻ってくる音がして、開けられなった。
「悪い。もう帰んなきゃいかない時間だな。送る」
え…いきなり、それ?
ハルにそう言われて、
私は…なんだか、自分がハルにとって
必要が、なくなってきたような気がした。
不安な気持ちこらえながら言った。
「うん。ごめんね。
…いつも送ってもらって」
本当は帰りたくないよ。
泊まってけよって、言ってほしい。
でも私は、ハルに何も聞けなかった。
肩を抱いた女の子の事も、不安でいる私の思いも言えないまま、立ち上がった。