2月の真夜中を、二人でバイクでかけぬけたあの日。
ハルの事しか、見えなくなってた。
その日、またそっーと、今度はハルの家のドアを開け、ハルの布団にもぐり込んだ。
家族の人に見つかっちゃったら、どうしよう。
「おやじに気づかれたら、俺、殺されるかも」
こそこそ話で、ハルは少し笑った。私が本気にして、少しおびえた顔をしたら
「…大丈夫。眠たい。寝よ…」
そう言って、ふたり小さな布団の中で抱き合った。
ハルのお父さんも厳しい人って聞いてたから、私も見つかっちゃったらどうなるんだろうって、こわかった。
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