「部屋…きれいだったし、何にもすることないから帰ってきちゃった」

私は、普通を装う。でも声が震えてしまう。



「…熱、あんの?いいから今日は寝とき」


「…熱はないよ。大丈夫。ありがとう」



ハルから、何も言わない。別れ話がでないか、震えている私に気がついて…


前みたいに、誰より私に優しくて
私を愛してくれてるハルに戻って。



「じゃ、またかける」

電話の最後のハルの言葉で、まだ私たちは繋がったままでいられた。



弱い私。

こんな決定的な出来事があっても

繋ぎ止めておきたかった。