「おっ、お目覚めだ。」

目を開けると、美菜が私を見て微笑んでいた。


「美菜....私...っ!」

さっきの不良くんを思い出して
体に緊張が走る。

慌てて辺りを見渡す。


「あははっ、もういないよー
あんた、本当にビビリだよね。」

いやいや、一般JK...いや、JKに限らず
あれはビビるよ。

「美菜の神経が図太いだけだよ...」


私はため息をつく。
嫌でビビリなわけじゃないんだけどなぁ...

三つ子の魂百までっていうしね。
こりゃ一生もんだ。


「あ、そうだ。
さっきの子にお礼いいなよ?」
「なんでっ!?!?」

食い気味に声を荒らげると
また美菜はクスクス笑った。


「ここまで運んでくれたの、さっきの子だよ。
あんた倒れたとき、本当に焦ってたから。」

「そ、そうなんだぁ〜」


むにゅっと頬を挟まれる。

「言いなさいよ?」


ぞくっと背筋が凍る。
さっきの子の次に怖い。


「ふぁ..ふぁい。」


残り数ヶ月の高校生活で、私の寿命は
半分くらい削れるであろう。