「ありがとうこざいましたー」

4時限目の体育が終わり
みんな一斉に教室へ向かう。

「私バスケ苦手なんだよねぇ」

私がそう呟くと、隣の美菜が笑いながら言う。


「咲希、基本スポーツダメじゃない?」

「そ、そんなことないよ!
私、バレーとテニスなら人並みに....」


階段を登ろうと角を曲がろうとした瞬間


目の前に"誰か"が現れた。

「っ!」



ドンっとぶつかり、勢いでしりもちをついてしまう。

「咲希!」


いったぁ...


目の前に大きな手が差し出される。


「悪い。」

「あ...ありがと....」


顔をあげると



血を流してボロボロな
いかにも不良な男子がそこにいた。


「ひいっ....」




「ちょっ、咲希!咲希っ!!」



私の名前を呼ぶ、美菜の声が遠くなっていく...