お風呂から上がり、ドライヤーをしていた時。
ドライヤーの音にかき消されたように小さくチャイムが聞こえた。


「あら、たっくん。こんばんは。」

「ナナいます?」

「七子なら部屋にいるわよ、上がって。」

「お邪魔します。」



ドライヤーの音以外聞こえてない私は、拓真が階段を上がっているのすら気づかなかった。