勝手に好きになったんです

教室に入ると、女子の間ではもうグループができていた。
同じ中学の子らしきグループや、可愛い子ばかりが集まったグループ。

このクラスでの友達は、実佳しかいない。下手に他の子と関わって嫌われたりしても困る。ここは実佳と一緒にいるべきかな、なんて思って実佳の席のほうへ行った。

「み…」私は実佳を呼びかけた。
でも、そこには同じクラスの男子がいた。楽しそうに話している。

「あ、楓!」
気まずそうにすると、実佳は「あ、この子は楓ね!こう見えて気は強いから変なこと言ったらダメだよ!」
なんてその男子たちに紹介している。

余計なお世話だ…なんて思いながら私は苦笑いをした