私は決心した。
あの龍ヶ崎さんに告白します。
友達の由美からも応援してもらって頑張りたいと思う。


ラブレターは重いかもしれないけど勇気がない私にはぴったりだと思う。

「龍ヶ崎さんへ
この前のシュート練の時はお世話になりました。
私が100本打つまで帰らずリバウンドを取り続けてくれてありがとうございます。
突然ですか伝えたい事があるので部活の後待ってくれるのであれば待って頂きたいです。
          楓より」

自分でもなんて書いてあるのかわからないような文になってしまったがとりあえずこの気持ちを伝えたいと思った。

あとはこれを龍ヶ崎さんの靴箱に入れてくる。
私は急いで靴箱へ走り龍ヶ崎さんの靴箱の前に立ちそっと入れた。
封筒に名前は書いていないから開けないとわからない様にした。

数分後ー
昼休みが終わりサッカーをしていた龍ヶ崎さんが帰ってきた。
手には私の手紙!
龍ヶ崎さんはそれを恥ずかしそうにポケットにしまい席につく

読んでくれたのだろうか。
心配になる。

放課後ー
部活が始まり私は手を抜かず練習に励む。
そんな毎日なので龍ヶ崎さんを見てる暇などなかった。
部活が終わり私はシューティングを始める。
男子の方も練習が終わり片付けが始まる。
龍ヶ崎さんは…
バッシュの紐を解かず片付けをして皆が帰るのを見送る。
そして龍ヶ崎さんはこっちへ走って来て私に話しかける。
「話って何?」
龍ヶ崎さんはそわそわしていて少し可愛らしかった。

「あの!私、龍ヶ崎さんが好きです。
2年生にあがってからあなたに会ってそれからずっとあなたの笑顔に励まされました。
こんな私で良ければ付き合ってもらえませんか!」

「俺もだよ。木梨さんが好きです。
それも結構前から。女の子に告白させちゃうなんて俺も情けね。
こんな情けないしバスケばっかのヤツでいいならよろしく。」

私は嬉しさで涙が溢れる。
今日はシューティング出来無さそうだな…
「さ!木梨さん、シューティングやろ!
今日100本打ったら俺のことを海って呼ぶ。んで俺は楓って呼ぶ。
いいかな?」
「うん!」
私は涙を拭きりゅ…海とシューティングの続きをする。
99.100!
100本入った

「ナイスファイト楓!」
海が私楓って呼んでくれていることに気づき感激する。
泣きだしてしまう。
嬉しくて嬉しい事がありすぎて崩壊寸前。
泣く私を海はそっと背中を擦ってくれる。
少しの時間が経ち支度を始める。

門から出た私達は空を見上げる。
海と手を繋ぐ。
緊張で手が汗で濡れ心配になる。
海の方を見るとあの時私が海に恋をした時のように赤い顔をしている。
その横顔は可愛く、かっこ良くもあった。

海と目が合いそして逸らす。
私達は恋人になったのに変な感じ。
緊張して目が合わせられない。
恋人になった前よりこの状況の方が厳しいかも。


「ねぇ、海。
これからもずっといっしょに居られるといいね。」

「何言ってんの?
居るに決まってるだろ。
約束ね。
嬉しいことがあったら思いっきり笑え、悲しい事があったら俺の前で泣け
イライラすることがあったら俺に愚痴れ。
俺はお前を傷つける時があるかも知れないけどそれでもお前を愛してるから離したりしない。
世界を敵に回してもお前の味方は俺だ。」

嬉しすぎる言葉に涙腺崩壊寸前。
今日は嬉しい事ありすぎで困る。
明日が怖いくらいに。

海は私を家まで送って走って帰る。
家は反対側なのに体力作りとか言ってる。
そんな優しさが嬉しかった。