出会いー海storyー

出会いは突然で、俺は天に昇った気分になった。
これは俺にとって初めての恋だった。
相手は木梨楓。
同じクラスだが一度も話した事も無いけれど目があった、木梨さんは俺に微笑みかけた。その笑顔は今群がる女どもなんかとは比べ物に成らない物だった。
それが俺の恋の始まりだった。
それからは毎日がドキドキで目が合う度に微笑む君が好きだった。
俺は木梨さんと同じバスケ部で毎日ぎりぎりまで自主練をしてる君に声をかける事にした。
声のかけ方がわからずボール拾いが大変そうだったから「ボール拾うよ」と声をかけてみた。
木梨さんは俺のことをわかってないままシュートを打ち続けた。
100本打ち終わり木梨さんは急いで支度を始めた。
俺はやっぱり男だからこういう時は送ってかなきゃだめだよな?
自分に問いかける。
「一緒に帰ろうか」
俺も緊張してたけど木梨さんはもっと緊張していて顔を真っ赤にして頷く。

帰り道、気まずくならない様に俺は友達から聞いた色々な面白い話をし続けた。
そして少しずつ仲も深まり木梨さんもたくさん話してくれた。

「木梨さんって、好きな人いるの?」
聞いてしまった。めっちゃ返事が不安と恥ずかしさでそわそわしてしまう。
木梨さんは俺からの突然の質問に戸惑ったのか顔を赤くして縦に頷く。
やっぱり好きな人いるんだよな。
女子って大体いるもんな。
誰なんだろ。
木梨さんの頷きだけでどんどん質問が増えてゆく。
「そんなに硬くならないでよ。木梨さん好きな人いるんだ。俺もいるんだよね。毎日練習頑張っててみんなの中で一番輝いてる子なんだ。入学式からその子のことが気になって部活中もチラチラ見ちゃってよく怒られるんだよね笑」
俺は少し木梨さんにわかる程度に言ってみる。
俺が笑いかける。

その照れた表情はりんごのように赤く可愛らしい。
そんな君に惚れた…

これが俺と木梨さんの出会いだった。