はあ…と僕はこの後に
面倒くさい説明を想像し
深いため息をつく

頭を左右に振って
隣をじろりと見る

環は僕と目が合うと
肩をびくりと震わせる

「どうして
あんな事を言ったんだ」

自分でも驚くほどに
低い声が出た

案外、僕は怒って
いるのかもしれない

環は

「だ、だって」
と言ってから少し逡巡し

もう一度

「だって…」
と言った

「だって…?なんだよ」
僕は苛立っていた

しかし、次に環の口から
出てきた言葉には

怒りも忘れ
呆れたわけではなく

驚きの一言につきた

というより
このタイミングで
言うのか

という思いが大きかった