髪を切っている間、そんなことを考えていながらも、やっぱり怖くて鏡を見れなかった。 時々話しかけてくれた芹沢さんにも、ずっと下を向いて答えてしまった。 「瀬奈ちゃん、顔、上げてみて。 髪、切り終わったよ。」 怖いけど…、恐る恐る目を開いた。 「え、これ…私?」 鏡の中には、私の知らない私がいた。 肩より少し長いぐらいまで髪は切られていて、軽くウェーブがかかっている。 前髪も作られていた。