信号が赤に変わって、車が止まる。



「ねぇ、なんで?」



「え?」



芹沢さんが隣から私の方を見て、切なそうな顔をした。



「なんで隼人は下の名前なのに、俺は芹沢さんなの?」



「え…?だって芹沢さんは、年上で、隼人くんは同級生だから…?です…」



それに、私には遠い存在すぎて下の名前でなんか呼べるはずないよ…




「俺のこと、遥って呼んで…?」




どきっ


突然顔を覗きこまれて、2人の距離がグッと近くなった。


その目はまっすぐ私に向いていて…



「え、と…遥センパイ…?」