「お前の気持ちは、知ってた。何年も前から。

俺はまだお前を好きになれてないけど、

真摯な麻耶の気持ちに、応えたいって思うから。

だから、ちょっと待ってくれないか。

良い返事ができるようにするから。」

「しょ……うき…」

これで、良いはずだ。
きっと。俺は、間違っていないはずだ…

目の端にうつる瑠璃子の泣き顔を見ないようにして、
俺はそう思う。


大きな違和感に、目論見に、気付かずに。