ポロロロロロンポロロロンポロロロン
ポロロロ……



突如流れ出す「エリーゼのために」

オルゴールの音色が大好きで、
着信音に設定している


「…ハイ」

「もしもし朋花?」

「…圭斗」

山田圭斗。
幼なじみでーーーあたいの唯一心許せるヒト。


「あのさー、…………どした、朋花」

圭斗の声を聞いたら、なんだか泣けてきて。

ほんとはみんなの前で
書き込みのことを言うのも怖かった。

だって、
夜中にふざけて色々書いていたら、
エンターキーを押してしまって……
書き込みは削除できなくて。

怖かった。

だけど、
強い自分でいなきゃ、
なんて強がって。


なんだかもう、
押さえ込んでいた感情が溢れ出した。

「……圭斗ぉ」

泣き続けるあたいに、
圭斗は電話を切らず
ずっと声をかけてくれたーーーーーーーーー