見ず知らずの女の人が2人の目の前に立っていた。

その姿を確認した2人は顔を見あわせた。

――間違いないよ

――この人だ!

2人は目で会話をした後、確認のためにもう1度だけ彼女に視線を向けた。

腰まである黒髪に何日も陽に当たっていないような白い肌は恐怖よりも、再会できたことによる感動を感じた。

彼女は手で口をおおって、涙を流していた。

間違いない、彼女の姿に間違いはない。

会えた…!

長い間探していたその人に、やっと会えた…!

玲奈と笙は同時に唇を開くと、その名を呟いた。

「――お母さん…」

3人の間に、沈黙が流れた。