「全然です。

むしろ、すごくキレイ…」

「ありがとう」

しばらくは明菜とおしゃべりをしながら歩いた。

「じゃあ、そろそろここでいいわ」

そう言った笙に、
「すみません」

明菜が荷物を返した。

「気をつけて帰れよ」

「さようなら」

明菜が手を振ったので、笙もその手を振り返した。

(結構いい子じゃん)

笙は彼女の後ろ姿を見送った後、歩き出した。

長いような短いような帰り道だと、笙は心の中で呟いた。