優しい彼は残酷な人。





__ポタッ


すると突然、私の頬に一滴の雫が降ってきた。


それと同時に彼の手の力が抜け、
その手は私の背中にまわされた。


そして、力強く抱き締められていた。


私はゆっくりと瞳をあける。


「....さ...く..? 」


私は小さく彼の名前を呼ぶ。


「...ごめん、沙羅。
.....俺には沙羅を殺めるなんてできないよ..」


「....どうして...私は..」


少し震えたような、弱々しい朔の声が聞こえた。


「....沙羅には、生きてほしいんだ。」


「....そんなっ..どうせ...どうせ朔にとって、私はっ..」


「___...っだよ。」


そう言って朔は私の顔を見て、

あの出会った日を思い出すような

とっても、とっても優しく微笑んだ。