優しい彼は残酷な人。




そんな朔にムカッとして、私は外を見て言った。


「別に!」


「...俺はもっと一緒にいたいよ。」


小さいけど、確かにそう聞こえて、私は朔を見た。


「....え?」


「...このまま、どこか遠いところに行っちゃおうか。」


遠くを見つめながら、朔はそんなことを言った。


「.....朔?」


私が名前を呼ぶと、朔はパッと
こっちを向いていつもの笑顔に戻っていた。


「...ハハッ...冗談だよ!
....どっかでご飯でも食べてこっか。」


そう言って、

朔は何事もなかったかのように笑って車を出した。




__朔はいつだって自由で、

何にも囚われずに生きている。


囚われることを嫌う彼は、

自由の中でしか生きていけないのだろうと思った。