君と花を愛でながら

私の表情が固まったことに片山さんが気付いたのか、ふっと我に返ったように目を見開いた。
慌てて作業台から腰を離し取り繕うように言葉を繋ぐ。



「……悪い、意地悪言うつもりじゃなかったんだよ。ただ、あんまり感情移入したら綾ちゃんがしんどいだろうって」

「いいえ、本当のことだし」

「余計なこと言った、ごめん」



いつも揶揄するような言い方をしてもどこか優しい片山さんが、明らかに苛立ちを滲ませたことに私も少し驚いた。
けれど、こうして私よりずっと背の高い人が素直に項垂れるのを見ると、怒る気もほんの少し傷ついたこともすぐに薄れてしまった。



「大丈夫ですよ、ほんとのことだし」

「ごめんって」



笑顔で首を振って大丈夫だと言ったのに、片山さんは眉を下げ切なげに目を細めていた。



「……まだ、『悠くん』のことが好きだったりすんの?」