君と花を愛でながら

「ああ……だからか」

「何がですか?」

「綾ちゃんが、随分感情移入してるなって」



そう言われて、初めて気が付いた。
私は叶わなかったけど、静さんと同じように幼馴染を好きだった。


その共通点があるからこそ、余計に静さんに肩入れしてしまうのかもしれない。
だけど……ひとつ一緒にしてほしくない所がある。



「悠くんは、あの人みたいに浮気性じゃないですもん」



一緒にしないでくださいよ、と、つい睨んでしまったら、片山さんは肩を竦めた。



「幼馴染ってずるいよな。小さい頃から一緒にいるってだけで妙な信頼関係がある」



そう言った表情は少し面白くなさそうで。
何か棘を感じる言い方にもいつもと違うものを感じて、私は思わずたじろいでしまった。



「だって、悠くんはほんとに」

「違うって言える? 幼馴染としてしか接してないのに」

「そっ……」



その言葉は、ずしりと私の胸に響く。
確かに、私は幼馴染の枠から出られないままだった。