君と花を愛でながら

「じゃあ、その日は閉店より少し早めに迎えに行くよ」
「うん、来て来て!」


多分悠くんには、毎年あげてる義理チョコと同じ程度にしか伝わってない。
でも、今はそれでいい、ちゃんと告白するのはその夜なんだから。


良い返事が欲しいだとか、悠くんと付き合ったら、だとか。
不思議とそういう考えは余りなくて、それは多分今までがずっと妹みたいな扱いだったから。


まずはそこからの脱却が必要だって、自分でも十分わかってたからだと思う。


悠くんとバレンタイン当日の約束をすることが出来て、私は改めてブーケ作りに関して母に相談した。
売り物にするんだから、やっぱりちゃんと長持ちするようにしてあげないといけないし、案外細かいところが人に指摘されるまで気が付かなかったりする。


「確かにスイーツとブーケ、並んでたら可愛いし写真に収めても見栄えするからいいとは思うけど、ブーケは持って帰るんでしょ?」


リビングのテーブルで、コーヒーカップを目の前に母が腕組みをして少し難しい顔をした。


「そりゃ、勿論……」
「持ち帰りのこととかも考えないと、下手したらクレーム来るわよ」


意味がわかってない私に、母が呆れたように溜息をつく。
最初は花の組み合わせや色、水揚げなど保持のことを聞いていたのだけど話せば話すほど考えなければいけないことはたくさんあった。