シオンの花を手の中で束ねて、ラウンド型に整える。
バランスを整えながら全体像を改めて見て見ると、確かに地味だけどこれはこれで可愛らしいかもしれない、と思い直した。
とても素朴で、可憐な花束だ。
淡い色の細いリボンが合うかもしれない。
「悪いわね、閉店間際に」
いつもなら、すっとカウンターに向かって珈琲をオーダーして閉店時刻が過ぎるまで座っているのに、今日はその気配がない。
「大丈夫です。もしもよかったら、カウンターで待っててくださったら」
花束をオーダーしたから気を遣って待っているのかと思い、そう声をかけたけれど。
彼女はふるりと顔を横に振った。
「いいの、今日は花束だけ。すぐに帰るわ」

