「ええっ? ほんとに、シオンだけでいいんですか?」
その人は、シオンの小花一色で花束を作れと言う。
戸惑いながらも言われた通りにシオンの花の茎をひとつひとつ手に取り束ね乍ら、全体を見せてもう一度確認する。
「こんな感じですけど……ちょっと、おとなしいイメージですがいいですか?」
どちらかというと脇役のイメージのある花だ。
もう少し色味を足した方がいいと思うのだけど。
けれど、雪さんはふふっと鼻で笑った。
「オブラートに包まなくて地味って言えばいいじゃない」
「あはは。すみません」
「地味でいいのよ、厭味なんだから」
「厭味?」
オウム返しに尋ねてみたけれど、雪さんは意味ありげに微笑むだけだ。

