君と花を愛でながら



「もう、何度も話してる内容なんですよ。先ほども言いましたが、私は店を辞めるつもりもないですしね」



心配かけましたね、と私の肩を軽く叩き、それ以上何も話そうとはしてくれない。



「でも」



と、なんとか話を繋げたくて声に出して縋り付いた。


雪さんがなんで急に店に現れたのか、一瀬さんに店を辞めろと迫るのか。
確かに、私なんかが口を挟むことではないのだろうけど、それでも知りたい。


なのにはぐらかすのかとそれが悔しく唇を噛んだけれど、少し違った。



「今日はもう遅いから帰った方が良い。ちゃんと明日、お話します」



笑顔を引込めて、私と目を合わせて一瀬さんが頷く。
カウンターから出て来た片山さんが、手の中で車のキーをちゃりんと鳴らしながら言った。



「俺、送ってく」