君と花を愛でながら

それから働き始めて、一週間。
一瀬さんは何も言わないけど、どうやら前のバイトの時からそういう人みたいだし、もしかしたら仕事になれるまでは、と思っているのかもしれない。


でも、客数は少ない上に皆カフェだけの利用で、花を買って行った人をこの一週間で見たことない。
やっぱり、即必要なのはカフェ側の仕事なんだと思う。


でも……うん。
持ってるに越したことはないかも。


ベッドから勢いをつけて起き上がると、机の引き出しを開けた。
このところバイトで疲れ切って全然触ってなかったけど、いつも定位置に仕舞ってあるそれを手に取る。


勿論、店にも置いてあるだろうけど、見かけたことない。
それくらい、花に関してノータッチだった。


私は、母からもらって以来愛用しているお古の花鋏を、鞄に入れた。