君と花を愛でながら

「……すみません」



やっぱり、生意気だと思われたんだ。
そう思ってもう一度謝ると、片山さんの口許が漸く緩んで少しほっとした。


途端に、デコピンされたけど。



「いたっ!」

「早く持ってって」

「あ、はい」



そうだ、早くしなくちゃ。
生クリームがぬるくなっちゃう。


踵を返して店内に戻ろうとして、やっぱりさっきの片山さんの表情が気になって、もう一度振り返った。


気付いた片山さんは、小さく苦笑いをしながら



「別に怒ってない」



と言って店内を指し示す。
早く持ってけってことだろう。



「でもグズグズして生クリームが崩れたら怒るよ」

「はいっ」



その言葉に、ピンっと背筋を伸ばして今度こそ雪さんのもとへ届けに行った。