君と花を愛でながら

「そう、かな」



確かに片山さんの言う通り、個人的な感情から言えばそうだと嬉しいけど、私がそんな風に思う権利はどこにもない。
立場もない。



「そうでしょ。変に期待持たせる方が酷だと思うけど」

「……期待持たせてる、とかじゃないのかも」



そんなんじゃ、ないような気がする。



「え?」



私が同意しなかったのが、片山さんには驚きだったのかもしれない。
軽く目を見開いて、首を傾げている。


だけど、私はとても、一瀬さんらしいと思ってしまったんだ。


例えば、私が泣いた時気付かないふりでそっとチョコレートクッキーを置いてくれた時のような。


私が花が好きだと知って、こっそり私の知らないところで花の処分をしてくれていた時のような。



「一瀬さん、らしいと思います。無理やり終わらせるんじゃなくて、きっと雪さんと折り合いがつくまで」



待つつもりなんじゃ、ないのかな。
それまで、傍にいるつもりなんじゃないのかな。


そんな風に大事に思われている雪さんが、とても羨ましい。