君と花を愛でながら

一瞬遅れて彼女の目も追いかけてきて、私は急に緊張を感じてぴんと背筋を伸ばす。



「あ、はい! ちょっと待ってくださいね」



ミニブーケで選んでいただける花の写真を並べてパウチしたものを手に、慌てて雪さんの傍に近づく。


心臓が忙しなく早鐘を打つ。
初めてアクリル板の空間に招かれたような気がして、他のお客様と同じようにブーケの好みを聞くだけなのにじっとりと手が汗ばんでくるのがわかった。



「えっと……今選んでいただけるのはこの四種類なんです」



花の写真を見せると、雪さんは左手の指で画像をなぞり乍ら「ふぅん」と息を吐く。


とても白くて細い指で、ベージュと白のナチュラルなネイルがとても大人っぽくて、指輪はしていなかった。



「じゃあ……これ」

「わかりました。向日葵ですね」

「えっ? これって向日葵なの?」



レモンイエローの花を指差しながら、雪さんが目を見開いて私を見る。
そんな姿は、ちょっと可愛らしかった。



「そうなんです。ちょっと変わった品種で、可愛いですよね」

「向日葵にも色々あるのね。ラストにもらえればいいから、先にデザートお願いしてもいい?」