ふと、また私の立ち入れないあの空間が目の前を過った気がして、追い払うように頭を振る。
「楽しみです、明日」
「俺も楽しみ」
笑い合って、私はお皿に残った惣菜を片付けながら片山さんと明日の話をした。
片山さんは、余裕だなあ、と思う。
彼から感じる好意はただからかわれているだけでもなく、そこはかとなく本気を思わせるのに、私が尻込みしてもなんだかんだ答えを待ってくれる。
一瀬さんが絡むと、ちょっと大人げないとこはあるけど。
『デートだと思わなくていい』
それはつまり、片山さんの気持ちに応えるかどうかをまだ判断しなくてもいいよって、そういう意味なのだと思った。

