君と花を愛でながら



翌日、朝から片山さんと顔を合わせるのに、すごく緊張したけれど。



「おはよ、綾ちゃん」

「おはようございます」



彼はいつも通り愛想のよい笑顔で、ケーキの番重をカウンターの上に置く。
そして、いつものように、目の前に停めた車を駐車場の一番端に停め直しに行く。



「……あれ?」



間抜けな私は、その時に漸く気が付いた。
彼は毎朝、車でケーキの番重を積んで出勤してくる。


おうちのケーキ屋さんは歩けない距離じゃないけど、手で持って歩くには遠いし車の方が安定するから。


当然、昨日も車だったはずだ。
片山さんはあれから、一度店に戻ったのだろうか。