君と花を愛でながら

駅に着くと、お姉ちゃんがいち早く私達を見つけて片手を上げる。
ふわりと花が咲いたみたいに優しく笑う姉に、私は駆け寄った。


「綾、おつかれ」
「お待たせ、お姉ちゃん!」
「そんなに待ってないわよ」


言いながら、手の中にあった小説を鞄に仕舞い込むと私から悠君へと視線を流す。
悠君は私よりも少し後ろについて来ていた。


「悠君、ありがとう。そんなに毎日迎えに行かなくても、綾も子供じゃないんだし」
「わざわざ、ってわけじゃないよ。大学の帰りに寄ってるだけ」
「毎日こんな遅い訳ないでしょ? 相変わらず綾には甘いんだから」


肩を竦めるお姉ちゃんを、悠君はバツが悪そうな笑顔を浮かべて見下ろす。
そうしたら、お姉ちゃんは『仕方ない』とでも言いたげに、苦笑い。


―――あ。


二人が醸し出す、少し大人びた空気を感じる度に、私は少し疎外感を感じてしまう。
だから、二人の間に割り込んで両腕をそれぞれの腕に絡め定位置を陣取った。