漫画みたいなベタな反応が可笑しかったのか、お姉ちゃんはくすくす笑いながら私の背中をさする。
息と喉を整えてから少し涙目で睨むと、小さく肩を竦めた。
「だって。いつもお店の話するときに一番多いのはマスターの話なんだもの」
「そ……そんなこと、ないもん」
「あるわよ」
「……ある?」
「うん」
絶対ない……ことはないと思う。
だってマスターだし、一緒にホールにいることが多いし。
ただ、それだけなんだけど。
そういえば、片山さんも私がマスターの方ばかり見る、って。
まずはそれで機嫌が悪かったんだっけ?
「だから、もし綾から恋の悩み相談とか受けるならマスターの方だと思ってたんだけどな。だったら少し、ハードル高そうだなって心配してた」

