「あ、いいですね。マスターも一緒に、来年の花壇の花決めたいし」
「……綾ちゃんは一体どこで純粋培養されて育ったのかな?」
デートの話だったのに、頭の中で花壇のことを思い出していたら私の中ではすっかり一瀬さんも絡めての仕事の話に切り替わっていて。
そのことが、片山さんを不機嫌にさせてしまったらしい。
「それともわざとだったら、恋愛経験少なそうに見えて案外余裕ってことかな? だったらあんまり遠慮することもなかったかな」
「えっ? わっ」
駅の入り口はもう目の前で改札も見えているのに、いきなり方向転換して隣の私に向かってぐいぐい歩いてくるから。
「えっ、え、あのっ」
あっという間に建物の壁に背中を向けて、追い詰められてしまった。
目の前には、むすっと不機嫌を隠しもしない片山さんが立っている。

