いつも思い出す。忘れちゃいけないことだから…


「…ねえ…ねえってば!」

「ん…?」

私は相田莉央(あいだりお)キラキラの高校1年生
高校生活満喫してます!

「いや、外見てぼーっとしてたから声かけたのに〜…もう無視だよ?酷すぎるって〜…」

この子は私の友達、篠原愛(しのはらあい)。入学当初席が隣同士で仲良くなったの。可愛くて、凄いモテるんだよ!

「あ〜ごめん…」

「もしかして思い出してたの?」

「そう、思い出してたの。」

私には彼氏がいた。格好良くて、誰よりも私の事を理解してくれた、そんな彼が…。けどもうその彼はこの世に居ない。私のせいで亡くなった。私の注意力散漫のせいで…。

「ちゃんとあの時見てたら…見てたら、あんな事ならなかったのに」

「莉央のせいじゃないよ…」

「ん、ありがとうね♡」

愛のサラサラの髪の毛をわしゃわしゃしてそう言った。
そのまま目をつぶり、放課後を待った。


「…あの、…あの!」

「んん…」

誰かの声で目が覚めた。そういや、図書室でずっと寝てたんだった。

「もう閉じますけど…?」

爽やかな男の子。図書委員って感じじゃない。どっちかっていうと、体育委員とかそっち系。

「あ!ごめんね!もう帰る用意してすぐ出て行くから!」

「あ、そんなに急がなくて大丈夫ですよ!まだ最終下校時刻まで時間あるし、俺外で待ってるんでゆっくり帰る準備してください。」

なーんか凄い律儀。思ってたよりとても。

「ごめんね!終わったよ!なんで、図書委員なんか?似合いそうにないのに」

「…ああ、俺ですか?よく言われます、似合わないって。けど、本好きでだから図書委員になったんですよ」

そう微笑みながら、彼は言った。

「あ、ごめんね…?そうだったんだ」

「はい、俺職員室に鍵返しに行くんで」

「あ、じゃあまた」

「はい、いつでも来てくださいね」

そう言って別れた。
これから始まるドキドキな高校生活をこの時は知る由もなかった…