翌日。


私は学校が終わった後、またいつもの公園に来ていた。


ただ、いつもと違う。


会えるかな…。


期待してしまう気持ち。


昨日声を掛けてくれた橋上さんの事が頭から離れなくなっていた。


ベンチに座り、通天閣を見上げる。



「私の守り神、通天閣、ビリケン様。また素敵な出会いを与えて下さいませ。」



心躍る気持ちを押えながら、あくまで平常心を装って描き始める。


ふと気配を感じた。


ダメ、心の鼓動が激しくなる。



「今日は何だかいつもと絵が違うね。」



聞き慣れた声。


私は少しがっかりした顔で振り返った。



「美紀ちゃん?」



智君は私の少し寂しげな顔を読み取り、不思議そうな顔を浮かべた。



「ごめん、智君。」


思わず謝ってしまう私。


そんな私に気遣って笑顔を見せる智君。


そのまま智君は通天閣を見上げる。