橋上さん。


橋上君。


新君。


新さん。


新ちゃん。



「じ、じゃあ、新太郎さん、で。」



「うん、いいよ。」



嬉しそうな新太郎さんを見ていると、必死に抑え込んでいる思いが破裂しそうになる。



「どうかな?」



コンテストの話に戻される。



「私、通天閣の絵しか描けないから、どうなんでしょう…。」



「俺は通天閣の絵が素敵だと思うから是非応募してもいいかなって思うけど。」



今日描いたスケッチブックの通天閣と、実際の通天閣を何度も見比べてみる。



「うーん。」



どちらかと言えば、迷ったり、考え込んだりしないタイプなのだが、絵を応募するとなると、なかなか自分では決心がつかない。


ゆかちゃんなら、四の五の言わずに応募しろ!って言うのだろうなぁ。



「大丈夫、きっと良い結果になると思う。俺は確信している。」



強い目で真剣に言われ、私はそのままウン、と軽く頷いた。