大阪市内から少し外れた小高い丘の上にあるこじんまりとした墓地。 私は新太郎さんと2人で智君のお墓参りに来ていた。 緩やかな傾斜の道を優しく手を繋いで一歩一歩踏みしめるように歩いて行く。 新太郎さんも少し真剣な顔をしていた。 「あった。」 智君のお墓。 花束が置かれ、生前大好きだったキャラクターのおもちゃが2つ程置いてある。 「智君、久しぶり。」 私は墓石に声を掛けると、持っていたバケツから水を汲み上げそっとかけた。