「ねっ!好きな人できたあ?」
学校の女子での恋バナは、
そればっかり。
「2組の~」とか、
いろんな人の名前が上げられた。
その内、
「篤」という名前もあげられた。
その子は、はっきり言って、
最悪って感じの子。
きっと、あたしもその中に入ってる。
その子の名前は、
長島利世―…。(ながしま りせ)
そして、あたしが一番仲のいい子。
加藤結愛。(かとう ゆあ)
あたしと同じ経験をしている子、
細井有亜。(ほそい ありあ)

「うっそお…。真衣も篤のこと好きなのぅ?」
なんとも、ブリっ子な話方…。
こんな子、はじめてだよ。
でも、ちょっと見習う。
利世のその根性が。
あたしに、そんな根性ない。
みんなの前で、そんな感じになれるの。
まあ、なりたくないけれど…。

「う…まあ」
「ねっ!あのさ、いろんな人誘ってさ。篤も!
どっか行かない?」
利世が、うきうき気分で言った。
納得するけど、
納得ならない…。
なんでかな。
わからない―…。
「あ…そうだね」
一言言って、あたしは、席を立った。

恋。
恋の気持ちを、
あたしはどんどん知ってゆく―..