桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)













「っ出来損ない!!
あんたなんて産むんじゃなかった!!」

お母さんの足が
お腹に入って思わず咳き込んだ。






あれは確か…
中2の春、だったのかな。

なかなか帰ってこなかったお父さんが、
とうとう帰ってこなくなった。


今思えば、
もう離婚寸前だったんだろうな…

お父さんの私物は、
必要最低限のものは既になかった。




「あんたなんてっ……!!」


私はお母さんを支えることが出来なくて。

「ごめんなさいお母さんっ…」


っ!!

飛んできたコップに目を見張る。


私を通り過ぎたコップは騒々しい音をたてながら床に散らばった。

「あんたなんかにお母さんなんて呼ばれたくないのよ!!!」

叫ぶお母さんの声で、
体が金縛りになったみたいに動かなくなる。



「あんたなんかに気軽に呼ばれたくないの!!
お兄ちゃんと違ってほんとにダメで!」


お母さんの罵倒が、私の体を、心を。

パキン、パキン、と凍らしていく。



「要らないのよっ!!」



体の震えが収まらない

「お、かぁ…さ……」

「呼ぶなっ!!」


あの時の頬の痛みを、私は多分忘れられない。