「どうしてなの!?」
「煩いな…
仕事なんだから仕方ないだろう?」
はぁ、とため息をついたお父さんが
鞄を持ってドアに向かってくる。
ドアにはめ込まれたガラスから
ぱっと目を離してドアから離れた。
ガチャ
「はぁ…いつもいつも……」
ため息と共に出てきたお父さんに
今気づいたかのように近づく。
「お父さん、お帰りなさい。」
「あぁ、日和か。
学校はどうだ?」
階段に上りながら聞いてくるお父さんの
後ろを歩く。
「うん、二分の一成人式の練習してる」
「そうか。
勉強もしっかり頑張りなさい」
後から見るお父さんの背中。
「はい。
お父さん、二分の一成人式の日って…」
「悪いな、日和。
疲れてるんだ。
先に寝かせてくれ」
部屋のドアノブに手を掛けて、
初めて私を振り向いた。
「…はい。
疲れてるのにごめんなさい。
おやすみなさい、お父さん」
おやすみ、と返してくれたお父さんは
そのまま部屋に入っていった。

