「日和、もう大丈夫だから。
今から、ここを移動する。
歩けるか?」
フルフルと首を横に振る日和。
「わかった。
今から、俺はお前に触れるけど、
絶対に傷つけないって約束する。
日和を持ち上げて移動してもいいか?」
うつむくようにして頷いた日和を確認してから、
そっと膝の裏と背中に手を回す。
「っ……」
少し体を強ばらせて、
スカートの切れ込みの入った部分に
手を持っていく日和。
「……今から歩く。
日和を風獣のヤツらにはもう触れさせないから。
俺は前だけ見てるから……信じろ。」
そう言って立ち上がり、歩き出す。
俺達の近くに、
風獣のヤツらが寄らないようにしていた卓也と圭斗に一瞬アイコンタクトを取って、
飛鳥が指示を出して作っていた
通り道を走り抜ける。
鉄パイプやらをそろそろ使われる頃だったから
ギリギリだったな……
扉の外に出て、
春樹さんに借りた車に近づく。
運転は一個上の免許持ちの浩介が
してきてくれていた。
スタンバイしていた飛鳥が開けたドアの近くまでいった。
「日和、下ろすぞ」
少し体制を低くして
車のシートに日和を座らせた。

