「ん……」


感じたのは、少し固い何か。

「っ日和!?」

「起きたのか!?」

「日和!」



慌てたような…宏明の、声……?

涼…?
圭斗…?

そっと目を開ける。


壁の近くから体勢を崩しながら
こっちへと立ち上がってくるのが見えた。


「ひろ、あき…?」

「日和!
大丈夫か!?

圭斗!
卓也と飛鳥呼んでこい!!」


バタバタと足音がして。


どうやら私は
簡易ベッドに寝ているようで。


涼がベッドの近くによって、
何とも言えない顔してて。


「…ごめん。」


何があったのか、わかっちゃって。


そっと体を起こそうとする。

宏明に背中を支えてもらって
からだを捻らずに起き上がる。



バレちゃったんだなぁ………

ごめん、ごめんね。


きゅう、っとみぞおちが痛くなって
握った手を当てた。


「「日和!!!」」

大声をあげて部屋に飛び込んできた声は飛鳥と卓也のもので。

目を向けると二人が、
こっちに向かってきていて。

その後ろで圭斗がドアを閉めながらも
こっちに走ってこようとしてて。


心配をかけたのが嫌でもわかって。


「ごめん、ごめんね。」

そう呟くように言った。


みんなの方を見ようと思わず体をひねる。


「いっ!!!」


激痛がはしって体を丸めた。


「「日和!」」

「動かさなくていいからじっとしてろ!」

「無理すんな」

「怪我してんの忘れんなよ!」

みんなから声がかかる。


「ご、めん……ありがと…………」


少し雰囲気がシン、とする。


「…後で、話聞かせてくれるか?」

飛鳥の言葉がそっと部屋に消えていった。


「……………」